HECP/ホームエレクトロニクス・カフェは 日本全国で30万カ所、世界中で2000万カ所を目指す「芸術」プログラム


日本にはすでに「数千万」のカフェの設備があり、「数千万」の家庭料理の料理人が存在する。「HECP/ホームエレクトロニクス・カフェ」はどこの家庭にもある「家電」を使ったキャッシュ・フォーワークによる自宅公共化の「家」と「地区」の再構築プログラムだ。

ホームエレクトロニクス・カフェはドアノブにプレートを吊るすだけで自宅がカフェに早変わりする自宅開放運動である。まずは、近隣住民や友人のお茶会飲みスペースとしてスタートしてみる。安全な食材とキッチン家電を使った、シンプルで過度な技巧にこだわらないアットホームなメニューにより、誰もが一人でも経営できる無理のないオペレーション、その運営スタイルは家族や友人、近隣住民、そしてSNSネットワークによるコンソーシアムやワークシェアリングの概念を導入している。この「小さな仕事場」は自宅を利用することで新たなコストは一切かからず、家電製品を活用することにより、操作も簡単・安全で高齢者をはじめ、障がい者、こどもでも十分対応できる、お茶会や試食会スタイルのキャッシュ・フォーワークの市場活動なのである。

ホームエレクトロニクス・カフェの起業は、自宅や全国に点在する空家や廃屋を舞台にした「公共的スクウォット」により展開され、自主独立の経営と社会的使命達成に対する報酬としての、適正な利益に基づく運営を目指している。自宅と家電を使用することで、ほとんど予算を必要とせず、高齢者を中心に自己学習による参加で、地域社会の主役となり、経済的自立や年金・医療・社会保障の問題の解決だけではなく、高齢者どうしの見守りなどによる地域社会との恊働を積極的深めていく志の高い運動である。

HECP/ホームエレクトロニクス・カフェは、普段自分一人だけいるとき、家は「プライベート」な空間だが、客がくれば、その空間は「パブリック」になる。つまり、「パブリック」と「プライベート」は対立する要素ではなく、何を「プライベート」にして、何をオープンにして「パブリック」にするかということを個人が自分自身で選んでいく自己決定性にある。個人個人がいろんなリソースをパブリック化し、シェアすることで、地域、経済、市場の共有可能性が生まれる。つまり、オルタナティブなマーケットは、時間や場所による分割ではなく、オンレイヤー=「築層」による多層な重なりなのである。

HECP/ホームエレクトロニクス・カフェの「家」にはスリープという待機モードがある。スリープとは、省電力の待機電源モードのことである。通常の起動状態と比べると大きく電力を節約できる上に、起動中のプログラムなどを終了させることなく、素早いリブートが可能となるといった利点がある。HECP/ホームエレクトロニクス・カフェのオープンは一般的なオープンとは異なり、クローズドオープンという「少し開いている」という概念である。自宅の公共化=パブリックネスの理念は自宅開放=オープンであるが、その利用に関しては「入店」が何よりも重要になり、従来の常識や概念とは全く異なる独自のマナーとルールが必要になってくるのである。

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